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【2024/04/30 00:47 】 |
売家と唐様で書く三代目

 この川柳は確か、シバリョウタロウのエッセイか何かで知った。確か街道をゆくの中国江南のみちだったか。ネットで検索すれば誰彼がこの川柳について説明している。
 遊蕩に耽った大店の三代目が、ついに身上を潰し、家を売り渡すことになったが、「売家」の字体はどこかのお稽古事で身に付けたであろう唐様であった、ということ。「『つД`)・゚・゚゚・*:.。 売家 orz』 と写メで送信三代目」というところか。お粗末。

 お坊ちゃんと称される学生や社会人にはこれまで何人か会い、当時は、すげー、とかいいなーとか言ってたんだけれども、せいぜい上場企業の役員や部長サンの子女程度が殆どであった。うちの家庭と比べたらせいぜい桁が一桁違う程度の話であり、多少いいマンションに住んでいるとか、多少本人の実収入には不相応のクルマを乗り回している程度の話であり、ま、そうは言っても同じ金銭感覚を共有しているというところはあった。

 推定、四桁違う一族のお坊ちゃんの場合は話が違った。オヤジはそんなに有名ではないけれども「裸一貫から」の類の立志伝中の人物ではある。それゆえに、跡継ぎには自分の価値観、経営センスを次世代に遺すべく、徹底した教育を施したらしい。確かに、そのお坊ちゃん、若いくせに接待とか、社外の付き合い系には熟達していた。政治家や財界の人材とのつながりも半端ではないことに加え、何よりも、その資質はともかく「人の上に立って当然」という気概はあった。
 私生活での女性関係も、単に火遊びの域を超えて何人か「囲う」「店を持たせる」レベルに行っていたと思う。金の使い方は(上には上がいるとは思うが)、言うまでも無し、である。お一人様10何万円の飯のご相伴に預かった時は、少し落ち込んだが。

 そのお坊ちゃん、将来の経営の修業のためにその一族の会社の子会社の経営を任されることとなった。これまた若い身空で「社長」である。本人も、曲がりなりにも一国一城の主、オヤジが成した以上のことをその子会社で実現して見せるんだ、と張り切っていた。

 しかし、間違いが一つあった。いや、オヤジさんとしてはその間違いに気付かせるための子会社派遣であったかもしれないが。
 10億円使って100億の商売を取ってくることは学んできたが、明日の1000万円の給与支払いのためのお金をナントカすることは知らなかったのである。少なくとも、その大切さを知ってはいたが部下の財務課長さんがやるもんだと思い込んでいた。売上が兆円を超えている親会社とは違い、そこらへんの中小企業かそれ以下のレベルである。それ以下のレベルと言うのは、親会社のブランドに寄りかかっている部分が、独立独歩の中小企業とは違うという意味でである。

 最初の頃は、自分の意志で接待費使い放題、私的な経費を会社に回したり、「明らかに怪しい女性社員」を雇いいれたり、色々していたのだが、当然、そんなことをやっているうちに、キャッシュが怪しくなってきた。上のような接待費とかは可愛いもんであるが、やはり、年商5億かそこらの会社が、半年分の、しかも半年もたてば価値がゼロになるような在庫を抱えて、しかも常に「新品」を在庫に持ちたがるから、金がなくなるのも当然である。

 っと、これ以上詳細に書くと、諸方面に迷惑がかかるので、ここでとめておく。要は、創業者であるオヤジさんは、100億の売上を取る為の投資も、明日の100万円の決済のためのキャッシュを用意することも、経営感覚の中では同じ重要さを持っていたと思う。しかしながら、そのオヤジさんが徹底して教育をしたにもかかわらず、二世代目には、100億の売上を取る事ばかりが強調され、キャッシュを守ることが無視されてしまったのである。

 このお坊ちゃんにも、何だかんだ言って、もう二十歳を過ぎた子供がいるはずである。彼がまだ小学生の頃に一回あったきりではあるが、当然、この一族の掟として、この一族の会社を継がねばなるまい。三代目には何が引き継がれるのであろうか。また、何が忘れられてしまうのであろうか。

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【2010/09/12 12:01 】 | 生活 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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